PB・OEM商品開発の進め方
― 企画からメーカー選定・商品化まで
店で人気の味を商品化したい。物販で新しい収益源を作りたい。こうした構想はあっても、メーカーとの付き合いがなく最初の一歩が踏み出せないという相談は多くあります。全体像を知っておくと、動き出しやすくなります。
PBとOEMの違い
| PB(プライベートブランド) | 自社ブランドとして販売する商品。企画・ブランドは自社、製造は外部 |
|---|---|
| OEM | 他社ブランドの製品を製造すること。受託側から見た呼び方 |
飲食店側から見れば、実務上はほぼ同じ流れになります。「自社ブランドの商品を、製造設備を持つメーカーに作ってもらう」という構図です。
開発の全体の流れ
- 企画:何を、誰に、いくらで、どこで売るかを決める
- メーカー選定:作れる設備と実績を持つ製造先を探す
- 試作:サンプルを作り、味・見た目・食感を評価する
- 規格の確定:原材料、内容量、賞味期限、保存方法を固める
- コストの詰め:ロットと単価の条件を確定する
- パッケージ・表示:デザインと食品表示ラベルを作成する
- 商品化:初回生産、販売開始
最初に決めるべき3つのこと
1. 売る場所
これによって必要な条件がまったく変わります。店頭で手売りするのか、ECで送るのか、卸すのか。ECなら常温での配送に耐える設計が必要になり、卸すならバーコードや納品ロットの条件が出てきます。
2. 想定価格と数量
メーカーは製造ロットを前提に見積もりを出します。小ロットは単価が高く、大ロットは安い。しかし在庫リスクは大ロットのほうが高い。「何個売れるか」の見込みを先に持っておかないと、条件の判断ができません。
3. 譲れない点を1つ決める
味なのか、原価なのか、無添加などの訴求なのか。すべてを満たすことはできません。優先順位を決めておくと、試作の評価がぶれなくなります。
メーカー選定で見るべき点
- その商品カテゴリの製造実績があるか:設備が対応していないと、そもそも作れません
- 対応可能な最小ロット:初回から大量に作れないなら、小ロット対応の可否が重要です
- 試作の柔軟性:何回まで無償か、どこまで調整に応じてくれるか
- 衛生管理・認証:卸先によっては、取引条件として求められる場合があります
現実的な注意点「店の味をそのまま商品にしたい」という要望はよくありますが、工場での量産と店内調理では条件が違います。加熱殺菌、保存料の有無、賞味期限の設定によって、味は必ず変化します。最初から「近づける」前提で進めるほうが、結果的に満足度は高くなります。
つまずきやすいポイント
- ロットが合わない:メーカーの最小ロットが、自社の販売見込みを大きく超えている
- 原価が想定を超える:試作は良かったが、包材と表示ラベルを入れると価格が合わない
- 食品表示の対応:原材料表示、アレルゲン、栄養成分表示など、法令上必要な対応がある
- 在庫の置き場所:完成品を保管するスペースと管理体制が必要になる
特に2つ目は見落とされがちです。商品原価は「中身」だけではありません。容器、フィルム、外箱、ラベル、送料まで含めて初めて実際のコストになります。
外部に依頼するという選択
メーカーとの交渉、規格の詰め、コストの調整は、経験の差が出やすい領域です。特に初めての場合、どこまで要求してよいのか、何が一般的な条件なのかの基準を持っていないため、不利な条件で進んでしまうことがあります。
FRLでは、企画の整理からメーカー選定、試作評価、規格・コスト調整、商品化までを実務として支援しています。詳しくはメニュー開発・商品開発のページをご覧ください。